From Orner

物語は始まることこそ多くありますが、全ての物語がきちんと最期まで紡がれることはありません。そんな中、喜ばしいことにDoreddo9がこうして緞帳を下ろすことが出来たのはひとえに語り手さんたちのおかげだと思っております。最後までお付き合い頂き本当にありがとうございました。殆どあってないような私の役割でしたが、少しだけでもドレインの世界を思い切り満喫して頂けたのであれば嬉しいです。
語りたいことは山ほど御座いますが、黒子のような存在である管理人がでしゃばるのもおかしな話ですし、ドレインの主役である語り手さんたちの心の中に何かを残しておりますように祈りながら、短いですが挨拶とさせて頂きます。挨拶の代わりに、各ペアに対する印象や、どのように物語を進めるつもりだったか、大きな分岐点をご説明させて頂きますね。

For Pair

バルベアは非常に難しいペアでした。ベアテくんが非常にいばらの道を歩まれる設定でして、バルドさんが非常にイージーのはずだったので、領主の血筋を愛するものと領主の隠し子でバランスが取れると思ったのですが、気がついたら領主が変な方向に流れたせいで非常に難易度が上がりました。バルドさんの場合、逃げようともせずに序盤に領主にお願いするだけでほぼ確実にベアテくんを救う手立てを教えてあげる予定でした。バルドさんに無償の愛を注がれるのが理解できない領主でしたが、交換条件であれば少しは理解できたようです。一番の地雷ポイントが、領主の質問に答えなかったことです。領主は否定されるのも質問に質問で返されるのも大嫌いなので其処で命運を分けたのではないでしょうか。

エマフィロは物悲しいエンディングの一つでした。エマニュエルさんからバッドエンドでも食らいついていけるとのお言葉を頂いていたこともあるのですが…。余り喜ばしくもない魔法を使う悪魔のようなエマニュエルさんが、何事も無く平和にフィロメルくんを救うというのが想像がつかず、あのようにさせて頂きました。参加態度が悪かったのならば最期の横レスでエマニュエルさんが命を散らすというのも考えたのですが、急にエマニュエルさんの性質を引き継いだフィロメルくんが可哀想で少しだけ命をのばすこととなりました。フィロメルくんを救う手立ては他にもいろいろ御座いましたが、強引に印を破壊する手立ての方がフィロメルくんは人間らしく生き続けることが出来たでしょう。こちらは自分で発想しない限りはお教えする気がなかったので、当初想定していたルートのうちの一つを進んでいかれたペアの一つだとも思います。

マティシェノは、シェノンくんが沢山冒険で聞いてくださるので、てっきり自殺を考えているのかと設定を練り上げようとしたら、シェノンくんがリアル知識で名探偵ばりの推理を始めて…シェノンくんが見つかって血祭りになるかもしれないポイントは「マティスさんと一緒にいる少年」「瞳と髪の色」なので、最終的にこの二点を全て変えてしまわれたためバッドエンドに引きずり込むことが出来ませんでした。実は呑気に街を歩いていたら母が襲来してシェノンくんを殺す即死トラップをつくろうとも思ったのですが全て跳ね除けられてしまいましたね。記憶喪失に関しましては、マティスさんの行動に驚きながら望むままにしようかとも考えましたが、お兄さんへの愛に生きるシェノンくんが少し不憫でしたのでお手伝いさせて頂きました。ロールの殴り合いは本当に見もので御座いました。こちらに付属させて頂く話ではないかもしれませんが、シェノンくんのお兄さんたちは二人だけの世界で生きているホモです。どちらかというとカトルがアンに依存しています。

ラササンにはとても申し訳なく思っております。お二人が何をしたいのかが全く想像がつかず、こちらからの情報を出すのが非常に一貫しないものとなってしまいました。ですので至る所が細切れになってしまうのですが…、サンクくんがトカゲを逃さなければ領主に見つかる順番はもう少し後でしたが特に意味はありません。ラササンに対して何か申し上げることがあるとすれば、ラサロさんが上手く交換条件を持って領主に願い出た場合はサンクくんを助けることも出来たかもしれないということです。そして、サンクくんは元の場所に戻りましたが、上手くやることができればそのまま生きられるかもしれません。けれど一緒に逃げ出した少年の消息を考えると少しだけそれも難しいかもしれませんね。ちなみにあの少年は即死トラップに見えてただのお助けキャラでした。そして少年を助けたというのはルスカさんの子孫です。

レナリナは何も行動しなかった場合に想定していた物語を進んでいかれました。ですがあれだけ読み応えのある物語になったのもひとえにレナートさんの恐ろしいまでの狂気とリナリアくんの悲惨さのたまものではないでしょうか。特にリナリアくんに対しては、可哀想なのが可愛いという印象を受けておりましたので、何が一番輝くかを考えて非常に酷なことばかりしていた気が致します。どこをどうすれば救われたかは、レナートさんの行動次第、リナリアくんの説得次第だったとは思いますが、どこを何しても非常に伸びしろのあるペアだったのではないでしょうか。一番壮絶な最後を迎えたペアの一つのように思います。最後までブレることなくレナートさんがレナートさんらしく、リナリアくんがリナリアくんらしくバッドエンドへと転がり落ちていく姿が本当に好きでして…楽しく拝見させて頂きました。

ルスルフは言うことがありません。というのもルスカさんの手のひらで転がされた気が致します。ルスカさんの探索の連鎖が上手く噛み合ってうまい方向に流れ出して、当初予定していた物語からは外れた方向へ突き進まれ…。結局ルフトゥくんの望みがかなうこととなりましたが、ドレインで一番のハッピーエンドへと突き進まれましたのもルスカさんが目的を持って探索を続けられたからでしょう。ルフトゥくんも最初から空に対する屈折した思いを最後まで持ち続け、上手くまとめられたなぁと思います。個人的に梟との関わり方がすごく好きでして、どうにかルフトゥくんを生かすために梟の命を奪うときはとても悩みました…。最後は円満に終わりましたが、ルフトゥくんが死にかけた場面で、一日以上放置された場合はそのまま死亡する予定でしたので、ひやひやしながら見守っていた時期も御座いました。本当に上手くいってよかったなぁと感慨深いです。