Cinq
「もっとさ、一緒にいろんなことしよーぜ!
だからそんな周りなんかよりも俺のことみてろよ、なっ?」
Age 11
Charactor
父母と共に村から離れた場所に住んでいるこの少年は、通り魔の如く傍迷惑な悪戯を仕掛けることや父親譲りの手癖の悪さで知られた所謂悪ガキ。父母共に生業が褒められた内容とは言い難いこともあり、一家そのもの村の中では厄介者としての扱いを受けてはいるが、村から追放されずに済んでいるよう。明朗快活で人見知りをせず喧しくも人懐っこい節も見受けられるが、遠慮のないその態度は必ずしも万人に歓迎されるようなものではない。自らの行いに悪意もなければ悪気もないため反省をしないどころか言うなれば分別自体がないようで、それ故にその行動には加減や躊躇がなく尚の事厄介なものであろう。また「欲しいモンがあるなら頭でも人でも道具でも何でも使って自分でぶん獲れ」という何時かの父親の言葉を胸に、他に類を見ないような初めての感情を懐かせてくれる相手を手に入れる為ならばと頭を働かせて行動を起こす行動にも一切の躊躇はないようだ――。
Duva
「バルドってすごく綺麗だから、
記憶が戻ってもちゃんと好きになると思うよって言ってたでしょ。
ね、ちゃんと両思いでしょ?」
Age 9
Charactor
生まれながらにして将来を約束された隣町の村長の息子であるドゥヴァは、厳しい父と穏やかな母のもとで裏表もなく純粋な子どもへと成長した。人見知りも物怖じもしない傲慢さを見せ始めている上に、余り記憶力が良いわけではないものの、幼いながら将来村をどうにか継げるだけの素質を見せ始めている。然しそんなドゥヴァの欠点として父への苦手意識と美しいものへの執着がある。厳格に躾けられたがため父に逆らうことだけは出来ず非常に苦手意識を持っている。その分マザコンと言っても良いほど母に懐いており夫婦仲は至って良好なため一見非常に仲睦まじい家族のように見えることだろう。美しさへの執着は幼いころより美しいものに触れていたが為だが、宝石から音楽から美しいものと珍しいものに目がない。特に美しい人への執着は激しく、一目惚れしたが最後手に入れるまで猪突猛進に突き進むこと間違いない。
Emmanuel
「僕ね、きみといると――どうしてだろう、
なぜだか、悪いことをしているような気分になるんだ。
……おかしいよね?」
Age 16 / Job Student
Charactor
その身に祝福が注がれるよう、神の正しい心と共にありますよう――幸いを望む願いを込め、“エマニュエル”と名付けられた赤子は、よく笑い、よく歌う、心優しき青年に育った。裕福な家庭に生まれ、優しい家族、あこがれの師匠に囲まれて――エマニュエルはこれまで何一つ不自由することがなかった。この世の醜さを知ることがないどころか、おのれの世界の狭さに気がつくこともないまま、世界を心から愛しながらいまを生きている。性格は温厚そのものといったところで、平和を愛し、平等を願い、争いごとは苦手。が、苦労知らずの青年の言動は恵まれすぎている故にかやや傲慢に聞こえることもあり、時折友人と衝突することもあるよう。世界を知らぬ青年は、村同士のいさかいを知り、ちいさ な嘘に触れて――おそらく知ることになるだろう。うつくしいものばかりではない、この世とみずからの心を裏側を。
Huit
「お兄さんといっしょにいられることが、僕のしあわせだよ。
だから、――ね、どうか。あなたのとなりに、…永久に、在らせて。
…お兄さん以外、いらないの。……“いっしょ”じゃないなら、命だって。」
Age 12
Charactor
村の中でも地位も誉れもある家に生まれ、跡目として育てられた少年は一族の期待に応え、聡明な心根の優しい子に成長した。聡き眼差しで物事を見据え、同年代の子らの世話を焼き、手を差し伸べたり共に奮起したりと他者に心を砕くことを厭わない。真直ぐと澄んだ想いは一族の繁栄と村の平和に願い、行く行くは家名を継いで皆を率いる立場に立つ覚悟も疾うに固めている。大人びた思考や物言いをするのは課せられた跡継ぎたる役目故のもの、その仮面を被ることで多感な感情を殺め、幼子ながらの甘えや寂しさからは目を逸らしてきた。忘れようとすることで平静を紡ぎ、それを“常”と己の在り方へと昇華する選択を幼いながらに下していた――が、その確たる指針が揺らいだのは、隣の村に住まう青年へ恋をしてしまったが故。己に課せられた宿命も、一族の想いもすべて投げ打ち“記憶喪失”の幼子を演じて彼の元に転がり込んだ。記憶を失い、帰る場所も己も知らぬと語る幼子は、こころの感じるままに表情を変容させて。控え目で大人しめな質は変わらぬが、よく笑い、よく泣き、よく甘える――青年の一挙手一投足に応じ表情を移ろわせ、募る信愛を囀る素直な子へと。真直ぐと愛を囁き、甘え付く姿はその安寧だけを許容するように。青年以外の他者を拒絶し、彼の色に染まり己を縛すような姿は――如何なる帰結を齎すか。一族と恋慕を天秤に架け、既に傾いた皿の行方は、恋しき人の思惟に依り傾くやも知れねども。何も知らない風を装う小鳥は唯一の愛を、くちびるに乗せて。
Lazaro
「気が済むまでいればいい、好きなようにしろ。
お前さんの満足する道を選ぶことだな。」
Age 47 / Job Doctor
Charactor
男は村に住む唯一の医者だ。両親は数年前に他界したが比較的裕福な暮らしをする男は、貧しい暮らしをする村人たちへと手を差し伸べることを苦としていなかった。故に人の為に生きることに疑問は抱かず、拾った少年の世話を見ることも特に不満を浮かばすこともない。記憶が戻るまで、誰かが迎えにくるまで、或いは気が済むまで。全ては少年の意のままに―男は必要以上の関心を少年に持つこともないようだった。村人を助けることと同じように、困窮する人がいるから助けると言う思考はそう簡単に変わることもないだろう。男の中にそう刻み込まれているのだから。
Lennart
「人形は好きだよ。
だってずっと美しいままだし、成長して大人になったりしないもの。」
Age 24 / Job Puppeteer
Charactor
村の中心部に位置する小さな古いレンガの家に一人の人形師が住んでいる。いつも柔らかな甘い笑みを浮かべて、吐き出される言葉達も男の脳内と同じく緩いものばかり。大事な約束をすっかり忘れていたり人の顔と名前を覚えなかったりといい加減な性格で、本能と欲の赴くまま生きているけれど本人は「職人ってそういうものだから」と平気で嘯いている。気まぐれな性格に難有りと思われるものの、人形師としての腕は確か。男の作る人形は大層美しく、時に艶かしく、宝石のような瞳と滑らかな肌が不思議な魅力を醸し出しているのだと専らの評判で村の外から大枚をはたく客も多い。美しい人形を作るコツは?と尋ねれば「美しい子を観察することかな」とハートマーク付きで返ってくるだろう。生 活能力はゼロだが何だかんだ近所のマダム達に世話を焼かれているので不便はない様子。
Lucht
「今だけは嫁と子供なんて忘れてよ。
……ねぇ、僕を見ろよ。」
Age 16
Charactor
自称、村一番の美形。しかし如何せん性格が歪んでいる。そこそこ裕福な両親の元で我儘に成長した少年は、自分の思い通りにならなければすぐに癇癪を起こす。生まれ持った美貌を最近更に磨いているのは一目惚れした彼に振り向いてもらう為。隣村でも性格の悪さは知られているからか、記憶を無くした振りをしている今、別人になろうと彼に甘えたりしているみたいだが――どうやら失敗と反省を繰り返しているようだ。
Mathis
「…なに、おまえも俺の音に魅せられちゃった?
でも残念、俺、なーんも持ってねえガキには興味ねえの。
せめて数年経ってから出直してきな、おチビちゃん。」
Age 24 / Job Bard(Spy)
Charactor
村には3年ほど前に移住して来たばかりの新参者ではあるが、マティスの名を此の村で知らぬ者は恐らく居まい。或る雨の日楽器を手に突如として現れた余所者の噂は直ぐに村中に廻り、最初こそ警戒の眼を向けられていたものの、マティスの奏でる楽器の音色は忽ちに村人たちを魅了・虜にしその警戒は瞬く間に解けて、今ではすっかり村へと溶け込んでいるといっていい。表向きは楽師として村で一番の権力を握る村長の家を出入りし、彼を音で楽しませることを日課としているが、マティスの本職は楽師ではなく情報屋である。楽器の音色で相手を魅了し、その懐に入り込んでは情報を絞り取るという手口。何処に仕えることもなくフリーで活動しており、現在はこの村にて村の 外や其の周辺地域の情報を村長へとリークしている。フリーながら3年間も居座っているのはなんだかんだで村長からの待遇がいいのと、村人のあたたかさや気さくさが気に入っているからかもしれない。そんな楽師マティスもまた社交性に長け、若者らしい勢いとノリと明るさに溢れた一見すれば人懐っこい好青年といえるだろう。服装は露出の多い派手なサリーのような服を好み、異国の風を感じさせる。露出が多いのはもちろん本職で役に立つが故に。奏でる楽器は主にハープが多いんだとか。
Ruska
「もう一人子供が増えるなんて思ってもなかったよ」
Age 55 / Job General goods trader
Charactor
村で雑貨商を営む男は人当たりもよく穏やかで明るくて勝ち気な妻と四人の子供に囲まれて平凡ながらも幸せな日々を送っている。見た目にも地味で目立たない雑貨屋の主は日頃から妻の尻に敷かれているともっぱらの噂だが、なかなかどうしていざとなるときっぱりはっきり自分の意見を通すそうで頼りになる大黒柱らしい。いずれ店を継がせる長男に仕事を教える一方で、すぐ先に控えた長女の嫁入りにあちこち忙しく駆け回り、年頃の次男次女に厄介者扱いされながらも精力的に動く毎日はまさしく働き盛りの父親像そのものだ。
Sabato
「がっかりしちゃった?それともあわれだって思う?
たとえいつわりだらけでもね、
僕があなたをすきっていう気持ちだけはほんとだよ。」
Age 12
Charactor
男女の双子は忌むべき子ども。村に古くから伝わるしきたりに生まれた瞬間から縛られた少年と少女は、早世を避けるまじないとして片方が性別を偽ることを余儀なくされた。対の姉妹の妹が“弟”であることを知るのは両親と当人たちのみ。本来のフィロメルという名前を封印しサバトと名乗るこの子どもは、表向きは柔らかい微笑みを欠かさぬ献身に溢れた少女である。けれどそれも全ては生きるためのまがいもの。物静かな様子の裏に大人を丸め込む強かさを併せ持った少年こそがサバトの本質なのだ。過保護な両親とは折り合いがあまりよろしくない一方で運命を共有する姉との仲は睦まじく、ときどき周囲の目を盗んで互いに入れ替わって遊んだりとその本性はいたずら好き。あるとき暇つぶしに隣村まで出かけた際に見かけた一人の青年の姿に心を奪われ、記憶を失ったいたいけな少女のふりをして彼の元へと転がり込んだのも最初は遊びのひとつに過ぎなかったが、彼に対して純な恋心を抱くのに時間はそうかからなかった。共同生活を送るにあたって少年であることは早々にばれてしまったものの、彼に厭われたくないからか少女めいた無邪気な振る舞いはなかなか手放せないよう。