月下に咲き誇る一輪の花、ウェヌスの化身よ。
嗚呼、どうか我が身を離したもうな。――永久に。
（※大好きです、結婚してください）

五稜院征四郎は、有名公告会社の社長一族の子として生まれた。現社長の祖父が現役バリバリということもあってか、よくある次期社長の座を狙っての権力争いなども皆無であり、家族仲は良好である。四人兄弟の末っ子として甘やかされて育った男は、我が道を行く自由人に成長した。結果、ゲームや漫画とあらゆる“楽しそうなこと”に触れ続け所謂厨二病を発症するに至ったが、家族はそれも個性として受け止めているあたり自由奔放なのは血筋と言えよう。ある時は「闇の支配者」、またある時は「光の守護者」と名乗るがこれは設定がガバガバなのではなく、曰く『異なる力をこの身に宿らせし選ばれし存在』の証明とのこと。一度決めたことは貫き通す馬鹿正直さも相俟って、入学式の日に一目惚れして以来学園のお姫様に熱を上げ続けている。お頭の弱さは否めないが、この学園に通う者としての頭脳体力その他諸々はしっかりと身に着けている様子。