はばたき学園という庭で数多くの青春を見守ってきた男、天之橋一鶴は、ノブレス・オブリージュの精神にあふれた“持てる者”、すなわちおよそ理想的な紳士である。口ひげを蓄えた口元に浮かべる微笑みや立ち振る舞い、こまやかな仕草のひとつひとつにさえ気品が溢れ、茶目っ気までもを併せ持ちながら懐も深く思慮的で、さまざまな事情を抱える個人らを尊重しながら接することが出来る人格者。ひそかな夢は素敵なレディを育て上げることだそうだが果たしてマイ・フェア・レディを見つけ出すことが出来るのか。なんにせよ、信頼できる大人だということは間違いない。(262文字)