全国大会3連覇という栄光を過去のものにし、今年も取り戻すに至らなかった嶺鈴女子中学校テニス部は関東大会止まりの存在として終わった。引退していく3年生たちから実力を参照に順当に部長に選ばれたのが、この佐藤千秋である。選手としての実力や知名度はそれなりにあるものの、未だ上に立つものとしては未熟な佐藤が抱える問題はいくつもあった。そのひとつは――とんでもない恋愛至上主義者であること。彼氏が出来れば鬱陶しいほど骨抜き、彼氏が居ない部員が居ればお節介なお見合い女と化す。この度のウソの原因を作った張本人は、今日も彼氏にバチバチにラブを飛ばしている。プレイスタイルは超攻撃型テニス、押すことしか知らない女。(299文字)