実力はある。が、先代のテニス部員たちから「藤堂を部の運営には関わらせるな」と念押しされた女の先輩としての程度は押して知るべしである。簡単に言えば享楽主義者。良くも悪くも欲望のままに動き、心のままに振る舞う。意地の悪いプレイで相手のミスを誘えば小馬鹿にしたようなにんまり煽り顔を隠せずに相手チームに不興を買いがち。基本的にはものぐさで特別なこだわりはなく、部の練習さえサボりたい気持ちでいっぱいのわりに義理堅く顔を出し続けたあたりは人に懐く証左か。調子に乗りすぎてコロッと負けたりする悪癖を自覚しているため『節度』を今年の抱負にしたが、今のところしただけに留まっている。